政治的ロマン主義 (始まりの本)
Douban
カール・シュミット / Carl Schmitt … oversætter: 大久保 和郎
overblik
「政治的活動がはじまるところで政治的ロマン主義は終わる」ナチスへの道筋か、辛辣な批判か。全体主義を考える必須の書。
「主観的機会原因論は自由な創造性の小さな島を見つけることができるが、
しかしここですらも、無意識のうちに最も身近で最も強力な勢力に服従している。
そして単なるオッカジオネルなものとして見られた現在に対するその優越性はきわめて皮肉な逆転を蒙らされる。
ロマン的なるもののすべては他のさまざまの非ロマン的なエネルギーに仕え、
定義や決断に超然としているというその態度は一転して、他者の力、他者の決断に屈従的にかしずくことになるのである。」
シュミットは一筋縄ではいかない思想家だ。
ナチスに協力する一方で、アーレントやアガンベンらに影響を与え、その理論は政治を考える方法に決定的な変更を迫る。
本書は、ワイマール共和政の「決断なき政治」を痛烈に批判し、
その根源にあるロマン主義を徹底的に検証する。全体主義を考える、必須の書。
*********** 新シリーズ《始まりの本》
始まりとは始原(オリジン)。
そこから生い育つさまざまな知識の原型が、 あらかじめ潜在しているひとつの種子である。
新たな問いを発見するために、 いったん始原へ立ち帰って、
これから何度でも読み直したい現代の古典。
未来への知的冒険は、ふたたびここから始まる!
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ワイマール共和政の「決断なき政治」を痛烈に批判、その根源にあるロマン主義を徹底検証する。全体主義を考える必須の書。
contents
緒論(ドイツ人の見解・反動と復古のイデオロギーとしての政治的ロマン主義
フランス人の見解・革命の原理としてのロマン主義、ルソー主義 ほか)
1 外的状況(ドイツにおけるロマン主義文人の個人としての政治的意義
シュレーゲルの政治的無力 ほか)
2 ロマン主義精神の構造(実在の探究
ロマン主義の機会原因論的構造)
3 政治的ロマン主義(一七九六年以降の国家理論の展開の概観
反革命的および正統主義的国家観とロマン主義的国家観の相違 ほか)
むすび 政治的現象の随伴情感としての政治的ロマン主義