一瞬の光

Douban
一瞬の光

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ISBN: 9784043720019
écrit par: 白石 一文
édition: 角川書店
date de publication: 2003 -8
prix: 780
nombre de pages: 589

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白石 一文   

résumé

橋田浩介は一流企業に勤めるエリートサラリーマン。38歳という異例の若さで人事課長に抜擢され、社長派の中核として忙しい毎日を送っていた。そんなある日、彼はトラウマを抱えた短大生の香折と出会い、その陰うつな過去と傷ついた魂に心を動かされ、彼女から目が離せなくなる。派閥間の争いや陰謀、信じていた人の裏切りですべてを失う中、浩介は香折の中に家族や恋人を超えた愛の形を見出していく。
著者はデビュー作である本書で、「人は何のために生きるのか」「人を愛するとはどういうことか」という大きな問題に取り組んでいる。観念的になりがちなテーマを軸にしながらも、背景となる企業社会を残酷なまでにリアルに描くことで、地に足着いた存在感のある物語を作り上げた。無慈悲な現実の渦に見え隠れする感動、生きる喜び。そうした一瞬の光を求めてがむしゃらに生きる一人の男の姿が、そこにはある。
ロングセラーになった『僕の中の壊れていない部分』(2002年刊)に比べると、性描写が粗く、文体もまだ定まっていない感がある。古風な女性観にもやはり疑問は残った。だが本書の魅力はそういった批判を超えたところ、懸命に生きる人間の輝きをすくい上げようという、作品に込められた熱い思いにあるのだ。終始冷静で理知的な浩介が本当の気持ちを叫ぶ場面、著者の思いがページからあふれ出し、読み手は心を打たれるだろう。(小尾慶一)

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