海から見た歴史
Douban
小島 毅 (監修) / 羽田 正 (編集)
Sinossi
【シリーズの特色】
・「国家」や「領土」を基軸とする歴史認識を越えて、人・モノ・情報が移動・交流する場としての「海域」から東アジアを捉えなおす。
・近代以前の国交なき時代に展開した、日中・日韓の往来の歴史を知る。
・歴史学を中心とした人文学のみならず、建築学、植物学、環境といった自然科学の視点もまじえ、総合的に交流の諸相を明らかにする。
・書画、書物、仏教など「日本伝統文化」の起源を、多彩で豊富な交流のなかに探る。
・多分野横断的な共同研究の成果を、やさしい叙述と多数の図版でわかりやすく提示。
【本巻内容紹介】
これまで「国」単位の歴史をもとに理解されてきた東アジア史を、「海域」概念を用いて描きなおし、新たな歴史解釈の可能性を示す試み。「東アジア海域」という地理的には同じ位置に視点をおきつつ、時間軸のうえでは異なった3つの時期をとりあげる。描きだされるそれぞれ100年間の歴史像は、時系列史の相対化と歴史のモデル化という2つの点において、革新的である。
contents
プロローグ 海から見た歴史へのいざない
第I部 ひらかれた海 一二五〇―一三五〇年 一 時代の構図
二 海域交流の舞台背景と担い手たち
三 海商がおしひろげる海域交流――開放性の拡大
四 モンゴルの衝撃がもたらしたもの――開放のなかの閉鎖性
五 モノと技術の往来――すそ野の拡大と双方向性
第II部 せめぎあう海 一五〇〇―一六〇〇年
一 時代の構図
二 大倭寇時代――東アジア貿易秩序の変動
三 海商たちの時代
四 多様で混沌とした文化の展開
第III部 すみわける海 一七〇〇―一八〇〇年
一 時代の構図
二 海商たちと「近世国家」の“すみわけ"
三 交流と居留の圧縮と集中
四 海をまたぐモノと情報