牛腸茂雄写真 こども
Douban
牛腸 茂雄
Übersicht
「ただ一つ確実にいえるのは、これら一見さりげなく撮影されたように思える写真群には、独特の力が備わっているということだ。牛腸の写真は、見続けているうちに、見る者の目から心へとじわじわ染み通っていく。その浸透力もまた、他の写真家たちのそれとはどこか違っているように思えてならない。」(飯沢耕太郎──解説より)
〈願望の自画像〉を追い求めた写真家の軌跡
「ごちょう・しげお」という名を聞いただけでピンと来る読者は、どれくらいいるだろうか。生前発表した写真集は共著も含めて三冊、全て自費出版。活動期間は、デザイン学校在籍中の1967年から亡くなる83年まで。この間、一貫して彼の関心の中核にあったのが〈こども〉だった。無邪気に笑い、おどけて見せるこどもがいる。少し恥じらう女の子がいる。しかしそれだけではない。こどもたちの表情のなかに不安、畏れ、怯えまでも嗅ぎ取り丸ごと受け止め、ぎりぎりの緊張感のなかで対峙する独特の視点は、鬼気迫るものがある。そしてこちらを見つめ返す、こどもたちの視線もまた──。
本書は、『日々』『SELF AND OTHERS』『幼年の〈時間〉』などから、〈こども〉をテーマに精選し編集したオリジナル版。今年没後30年、90年代以降、牛腸の再評価の波は静まるどころか、ますますその勢いを増している。
◇収録写真55点(ダブルトーン印刷)