热带树
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熱帯樹
简介
2019年2~3月に歴代最年少で新国立劇場演劇芸術監督に就任するなど、いまや日本の演劇界を牽引する演出家の一人・小川絵梨子が、初の三島由紀夫戯曲に挑みます。
『熱帯樹』は、フランスで実際に起きた殺人事件に、ギリシャ悲劇的構造を見出した三島が、1960年に書き下ろした全3幕の戯曲で、同年に文学座で初演されました。以降、ヨーロッパのフランス語圏を中心に頻繁に上演されるなど、『サド侯爵夫人』と並んで海外でも人気の高い三島作品です。
演出にあたり小川は「とにかく登場人物たちは全員がものすごく寂しくて孤独。それでいながら一人一人がみな強くもあり逞しくもある。そうした人々の集合体として存在する“家族”の悲劇を、現代に通じる普遍的な作品として立ち上げていきたい」と意気込みを語っています。
愛憎うずまく五人の家族を演じるのは実力派の俳優陣。
権力者の父親を憎みながら母と妹の異常な愛に翻弄される息子・勇役には『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(17年/小川絵梨子演出)にも出演し、小川から信頼の厚い林遣都。愛する兄に母を殺させようとする妹・郁子役には映像を中心に幅広く活躍している岡本玲。父親の妹で4人の家族と共に暮らす風変わりな叔母・信子役には昨年シアタートラムで上演された『岸 リトラル』での熱演も記憶に新しい栗田桃子。地位や名誉を手に入れながらも、息子と対立し妻の不貞を疑わぬ父・恵三郎役には父・恵三郎役には、年齢と共に魅力を増す鶴見辰吾。そして、莫大な財産を狙い息子に夫を殺させることを企む勇の母・律子役には、舞台上で唯一無二の存在感をほこる中嶋朋子。栗田と共演した『岸 リトラル』では、鮮烈な激しさと慈愛に満ちた演技が好評を博しました。
三島由紀夫ならではの流麗なセリフと、ギリシャ悲劇さながらのドラマチックなストーリー展開を、綿密なセリフ劇の演出に定評のある小川が、この魅力的な五名のキャスト陣といかに立ち上げていくのか?本作に、どうぞご期待ください。