台风14号

京都を出発した東京行きの深夜バス。
折しも戦後最大級の台風14号が、西日本へと迫っていた。
京都は暴風域のど真ん中、走り続けるバス。
案の定、バスは洪水の道路に突っ込み、誰もいない山の中で立ち往生。
車内はすぐに浸水。
溺れそうになった乗客たちは、一同屋根の上へと避難する。
ひきしめあうバスの屋根の上。
見渡せば大洪水、遠くには同じようなトラックもいる。
携帯はバスの中、報道のヘリも来ない、レスキューも来れるはずがない。
周りは闇と洪水。大切なものも全部ずぶ濡れ。
これは、朝になるまで誰にも発見されないのでは？

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