泉鏡花
高野聖・眉かくしの霊 Douban
author: 泉 鏡花 publishing house: 岩波書店 1992 - 8
北陸敦賀の旅の夜,道連れの高野の旅僧が語る,若かりし日に僧が経験した飛騨深山中の怪異陰惨な行脚物語.「高野聖」は自由奔放な幻想の中に唯美ロマンの極致をみごとに描き出した,鏡花文学の傑作である.併収の「眉かくしの霊」は木曽街道の旅話に怪談的詩境を織り込んだ作者晩年の佳作. (解説 吉田精一)
春昼·春昼後刻 Douban
author: 泉 鏡花 publishing house: 岩波書店 1987 - 4
夢の感応に結ばれた男と女の魂の行方は…。うららかな春の光のなかに夢と現実とが交錯しあう鏡花随一の傑作。
歌行燈 Douban
author: 泉 鏡花 publishing house: 岩波書店 1988 - 9
冬の桑名の月の夜,うどん屋の店先で酒をあおる旅芸人の若者は,なぜか夜空に響く按摩の笛に怯えている.やがておかみを前に三年前の因縁話を語りはじめた同じその頃,旅宿湊屋では,芸妓お三重が旅の二老人に薄倖な身の上を明かしていた.二つの語りの交錯が幽艶な陶酔境を現出する鏡花一代の傑作.
May 7, 2022 read
真的牛逼
「源三郎すっと座を立ち、よろめく三重の背を支えた、老の腕に女浪の袖、この後見の大磐石に、みるの緑の黒髪かけて、颯と翳すや舞扇は、銀地に、その、雲も恋人の影も立添う、光を放って、灯を白めて舞うのである。 舞いも舞うた、謡いも謡う。はた雪叟が自得の秘曲に、桑名の海も、トトと大鼓の拍子を添え、川浪近くタタと鳴って、太鼓の響に汀を打てば、多度山の霜の頂、月の御在所ヶ嶽の影、鎌ヶ嶽、冠ヶ嶽も冠着て、客座に並ぶ気勢あり。 小夜更けぬ。町凍てぬ。どことしもなく虚空に笛の聞えた時、恩地喜多八はただ一人、湊屋の軒の蔭に、姿蒼く、影を濃く立って謡うと、月が棟高く廂を照らして、渠の面に、扇のような光を投げた。舞の扇と、うら表に、そこでぴたりと合うのである。」
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