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清朝とチベット仏教―菩薩王となった乾隆帝 Douban
author: 石濱 裕美子 publishing house: 早稲田大学出版部 2011 - 9
満洲人は,朝鮮人,中国人,モンゴル人が混在する遼東平野を故郷とし,これら歴史ある 3 集団にもまれながら清朝を形成した。そのため,異文化に対して敬意を表することに屈託なく,その摂取についても柔軟であった。
清皇帝は,向き合う集団の文化体系に合わせてその時々に自らの姿を示した。儒教官僚を前にしては儒教思想の説く理想的な王,天子の姿をとり,チベットやモンゴルの仏教徒の前では大乗仏教が理想とする王,菩薩王の姿をとり,満洲人たちの前では八旗の長たるハーンとして君臨した。マルチリンガルな国際人が向き合う集団の言語に合わせて自分の使用する言語を切り替えるように,清皇帝は対する集団の性質に合わせて言語体系や文化的な振る舞いを切り替え,異文化と円滑に交流を行った。
つまり,清皇帝を始めとする満洲人支配層は,満洲語,モンゴル語,漢語,チベット語を程度の差こそあれ理解し,中国文化人であると同時に,チベット仏教徒であり,狩猟に秀でた満洲武人であるという多面的な性格を有していたのである 。これは異文化を外なるもの野蛮なるものとして目下に設定する中国の王権とは対照的な性格である。
本書は,清皇帝が持つ複数の性格のうち,チベット仏教徒に向けて清皇帝が示した姿を様々な側面から解明していくものである。
―本文「はじめに」より

想读《清朝とチベット仏教―菩薩王となった乾隆帝》

ArendelleOlaf
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